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ボートから楽しむバスゲーム(後編)

2007年にエラリイスタイル3に掲載させて頂いたモノをそのまま転載 (手抜きとも言う

記録的な猛暑の夏でしたが、皆様お元気でしょうか?

私は今年は一切日中フィールドに出ることなく、夜な夜なシーバスフィッシングに興じておりました。
一晩で70cmクラスを筆頭に60前後がラッシュという日もあり、魚とのファイトで筋肉痛という幸せも味わいました。

昼間の釣りといえば、一度だけチヌ釣りに行きました。
本命は釣れずでしたが。
しかし、最近の磯竿は軽いですね。シマノの「ホリデー磯」という激安磯竿ですが、これがいいんですよ。
秋になると「日中チヌ釣り」→「日が暮れたらシーバス」パターンが出来上がってしまいそうです。

さて、「ボートから楽しむバスフィッシング」について書いているわけだが、今回は「フィールドに出たときにどのようにエリアをローテーションしていくのか」について書いていこうと思う。

釣りに行く前日にあれこれ戦略を立てるのはとても楽しい時間である。「最初はあそこに行って、次はあのポイントに行って・・・」と言った具合である。さらに妄想が進むと「朝一はあのシャローでトップ使って40アップ2本釣って、その後あのウィードフラットでクランクとテキサスで50アップが混ざれば・・・そしてフィニッシュはビッグベイトで夢のロクマ・・・(以下略)」なんてことまで考えてニヤついてしまう。
ビッグレイクにボートで出るとなると、気持ちは高ぶり過剰な期待をしてしまうのも無理はない。

しかし、思い通りに行かないのが釣りである。いざフィールドに出ると自分の予想もしなかった状況に出くわしてしまう。予定していたエリアの水が濁っている、オカッパリが入っている、漁船が網を投げている、etc・・・
前日周到に練られていたはずのプランは崩壊し、頭の中は真っ白、結局魚を見失いボートで走り回っただけで一日が終了、なんてことになりかねない。

だがよく考えてみれば、毎日フィールドに出て湖の状態を熟知しているプロガイドやトーナメンターならともかく、週に一回、下手すれば月に一回程度しかフィールドに出れない状況ならばこのような状況にぶち当たるのは当然である。
故に、このような「予想外」の状況からゲームを組んでいくことこそバスフィッシングの醍醐味ではないだろうか?
私はバスフィッシングを音楽に例えるなら、絶対にアドリブ重視のジャズセッションだと思う。その時のフィールドの状況、魚の状態を観察しながら、自分をその状況に順応させ、最後にキメを繰り出す。これが決まった時こそが快感なのである。

余談だが、私はボートに乗るときにそこそこの本数のロッドを持ち込むのだが、殆どのロッドにルアーを結ばずにボートを出す。もしルアーが付いているとしてもそれは単に前回の釣行の後に片付けをしなかっただけである。釣行前日にロッドにルアーを結ぶという作業は、その時点で自分の釣りのイメージに「縛り」を入れることになると思うからだ。熟知したフィールドならともかく、1ヶ月ぶりに訪れるようなフィールドなら、まずはその湖の様子を目で見て体で感じてからルアーを選択しても遅くはないはずだ。

では実際にエリアのローテーションと魚の絞込みについて考えてみよう。

戦略その1: 「フィールドをマクロに捉える」

DEPSの奥村和正氏が述べておられたことであるが、大変参考になったので私自身いつも実践していることがある。

フィールドを4分割する
ということである。

琵琶湖のような非常に大きなフィールドであれば、ポイントも無限なのだが、そのポイント達を無理やり4つに分割してしまうのである。
例えば、私の場合先日の琵琶湖であればこのような感じである。
当日は琵琶湖大橋の少し北のマリーナから出船した。
A 琵琶湖大橋北エリア(真野、和邇、ラフォーレ、野洲川河口)
B 琵琶湖東部エリア (木の浜、赤野井、烏丸沖)
C 琵琶湖西部エリア (アクティバ、雄琴、カネカ、若宮)
D 琵琶湖南部エリア (貝塚、赤ブイ、DH、北山田)

イメージ図

このように大きなフィールドでも無理やり4分割してしまうのだ。
そしてこの4分割したポイント群をだいたい1時間ずつで探っていく。
これで午前6時半に出船したとして、だいたい昼前までにフィールドの状況をザックリと捉えることができるようになるはずだ。
万が一、どこかのスポットでスーパーラッシュに遭遇すればそこで腰を据えればいいのだろうが、そうでない場合はあまり一箇所に固執せず「状況を見廻る」くらいの軽い気持ちで釣り進めていけばいいと思う。

もちろん、こういった4分割の中でも、魚探を使って例えば春なら2.5mより浅いエリアをメインに探っていくとか、アフター〜初夏なら3.5m前後を探るといった心がけも必要である。

ルアーは自分の得意なルアーを使えばいいだろう。
ただ注意しておきたいのは、スイミング系のテキサスやスピナーベイトなどはレンジキープをするのが難しい。オカッパリなら適当に投げていればそこそこいいところを探れるのだが、「スピナベで水深4mのエリアで2.5mレンジをキープしながら引いてくる」といったような釣り方はボートに慣れないうちはかなり難しい。
出来ればレンジキープ力に優れたクランクベイトやシャッド系のものをメインに据えていったほうが展開が楽になるはずだ。もちろん朝一などは果敢にトップやビッグベイトで攻めるのも悪くない。
私などは、クランクベイトをメインに、浅ければスタッガーテキサス深ければヘビースピナベを織り交ぜ、フォローにスワンプなどのワッキーで釣り進めていく。あまり多くの種類のルアーを投げる必要は無いと思う。

そういった中で、それなりにサーチを掛けていけばその日のフィールドの全体的な様子が分かってくるはずだ。
では次なる展開を状況別に考えてみよう。
当然、午前中のサーチの結果によってその後の展開の方法は変わってくる。

戦略その2:「次の一手を考える」

パターン1 「午前中で完全に魚が見えた場合」

私のような下手なアングラーには、こういったことはまず無いのだが(笑)、運良く状況のいい日に当たればこういうこともあるだろう。
例えば、今年の5月に琵琶湖に出た時などは完全なアフターで、赤野井沖の3.5mのブレイクに絡むウィードで40後半を2本掛けた後、貝捨て場4mのハンプで50アップをキャッチした。
この時点で「水深3.5m+ウィード+α(ハンプ、ミオ筋)」が見えていた訳で、あとはこういった条件を満たしているエリアをランガンすれば良かったのである。
赤ブイ、ディープホールは不発に終わったが、結局烏丸沖のフラットで40アップを二桁に50弱を織り交ぜながら釣る事に成功した。
ここまで出来れば正直満足である。個人的には思い通りのスポットに入って狙った場所で50前後のバスが出れば午前中でストップフィッシングにしてもいいと思っているくらいだ。

ただ、こういった好調時にあえて釣れているエリアからの「ちょいハズシ」をやってみるのも面白い。
狙うのはもちろんスーパービッグである。
個人的にキモにしているのは、「水深をキーにした単発系狙い」になってくる
つまり、「水深3.5m+ウィード+α」で釣れているとするならば「3.5m」という水深をそのままに「ウィード+α」を、「マンメイド」や「ゴロタ石」などに置き換えてみるのである。
さらに理由は後述するがマンメイドは単発であればあるほど良い。
ウィードも、急激なブレイクも無い、だだっ広い砂浜にポツンと存在するような取水等や桟橋やブイをランガンするのである。
狙っているのはスーパービッグなのでルアーもS字系や大型ペンシルベイトのようなデカいヤツを刺激するモノをチョイスしたいところだ。
こういった「100か0か」という運任せの釣りは精神的に余裕のあるときで無いとなかなか出来ないものである。
午前中にいいサイズを揃えた時こそやってもらいたい。

パターン2 「イマイチ決定的な要素が見えないとき」

とりあえずライトリグならマメバスがボツボツ釣れるが、一切サイズが出ないという状況に当たることが多い。
実際これが一番ヤッカイである。
ただ、悲観するほどではない。とりあえず魚は釣れているのだから。

しかしこういった状況で「サイズ狙いじゃー」とビッグベイトやハードな巻物を投入しても釣れることは少ない。
理由は様々なのだが、どうしても「釣れている釣りを捨てきれていない」ことが多い。
ハード系で釣れない時間が続くと、どうしてもライトリグに手が伸びる。
ライトリグが悪いのではない、中途半端になってしまうのが良くないのである。
いっそ、後述する「何やっても釣れない」時のほうがハード一本勝負はやりやすい。

個人的にこういった状況を打開するのはとても難しい。
打開案のひとつとしては「小場所のランガン」だろうか。
水面下の小さなハンプやミオ筋、良質のウィードなどをランガンしていくのである。
ライトリグやテキサスリグなどでスローに探ったほうが良いことがおおいようだ。
プレッシャーが低い分、フレッシュないいサイズの魚が残っている可能性がある。

だが、こういった場所はあらかじめ位置を熟知していないと話にならない。
やはり、どんな状況でもそこそこの結果を残せるようになるにはある程度通い込む必要があるのかもしれない。
特に琵琶湖のようなナチュラルレイクの場合は目に見えない水面下のスポットの位置をあらかじめ覚えておかなければならない。

パターン3 「全く魚の反応が無い時」

これは正直辛い。
まだ早春の時期で寒の戻りのような寒い日に当たった時や、秋や初冬で急激に水温が下がった時などはこういう気の遠くなりそうな状況に嵌ってしまう。
しかし、このような状況は意外に一発が出る可能性がある。
55アップなんかを釣ってマリーナに帰れば一躍ヒーローである。

対策には二つある
一つ目は、「超メジャー場所で粘り倒す」
例えば早春の琵琶湖なら、あえて名前は言わないが「あの川」の沖とか、「あの港」のミオ筋に絡むウィードとか。
そういうところは船団になっていて、そう簡単にはバイトは出ないが、それでも粘り倒せば当たる可能性はある。
なんだかんだ言ってもガイドが集まってくるほど船団になるということは、それなりに実績があるし、逆にそこ以外で釣るのはかなり難しいということだ。
毎日フィールドに出ている連中がそういった状況なのに、たまに出た私達がカッコつけて「船団には入らない」なんて言ってみても、釣れる可能性は少ないわけである。
やはりソフトなスピニングロッドにライトラインのフィネス勝負になってくるし、ミドストなんかもキッチリ出来ないと厳しい部分はあるが、それでもやる価値はある。
特にミドストはメジャーフィールドでは出来て当たり前のテクになっている。細かいことにこだわり過ぎる必要は無いと思うが、ある程度自信を持ってやれるようになっておいたほうが良い。

近年のメディアの傾向として、どうも「スピニングはダサい、セコい」とか「船団釣りは負け犬」といった印象を受けるが、そんなことは決してない。
スピニングを握ったほうが大きな魚が釣れる事も多いし、ベイトタックルに拘るあまり魚が見えなくなってしまうことのほうが勿体無いと思う。
余談だが、スピニングリールこそ釣具の中の釣具なのだ。これほど考え尽くされ、なお開発の余地を残している釣り道具は無いだろう。
今では90cmのシーバスだってGTだってみんなスピニングリールで釣っている。
「スピニング=セコ」というイメージはとっとと捨て去ったほうが幸せになれる可能性が高い。

二つ目は「シャロー、ストラクチャーのランガン」
これは可能性は低いが、シャローにはどんな状況でも魚がいる可能性がある。
冬〜早春なら水温が上がりやすいエリアを午後から狙うというのは定石だが、そういった時期以外にもシャローは常に可能性を秘めている。
例えば、フォールターンで湖全体がデッドウォーターと化したような状況において、激シャローのみ水が澄んでいることがある。
水面近くまで伸びたウィードによってボディーウォーターからプロテクトされターンオーバーの影響を受けていなかったり、ターンからいち早く回復しているのがシャローだったりするのである。
実際、2年ほど前のターンオーバー時に雄琴の湾奥シャローでスピナーベイトのガーグリングで炸裂したことがある。

激タフの状況下においてシャローを狙う際のルアーは、スピナーベイトやラバージグ、ハードボトムならクランクベイト、クレイジーにトップやビッグベイトでも良いだろう。食性ではなくリアクションに訴えたい。
しかし、とにかく滅多にバイトが無い世界の釣りなので、絶対的な自信を持って投げ続けられる自信のあるルアーが良い

もうひとつ似たものには大型マンメイドストラクチャー。
これも可能性はある。
特に周囲にウィードやブレイクなど、魚が着く場所が無い場所ほどマンメイドの価値は上がってくる。
必然的にそのマンメイドに着かざるを得ないからである。
春であればそのストラクチャーに着いて上下にサスペンドしながらスポーンエリアに入るのでキッカーが獲れる可能性がある。
秋でも、ウィードが枯れ始める時期はマンメイドが熱いことが多い。
バスにとっては「今日はあっても明日枯れてしまうかもしれないウィードで暮すより、不動のマンメイドで過ごすほうが安心」とか思うのであろうか?
しかし、この釣りは移動に時間が掛かるので高馬力のボートが必要である。当然ガソリン代もかさみ文字通りハイリスクハイリターンな釣りだと言えよう。

どちらにしても、どうせ釣れない状況である。失うものは何も無い。「全く釣れない時」というのは意外と賭けに出やすい状況なのかもしれない。

ボートに乗る際の必需品

当たり前だが、ライフジャケット
私は、最近新たに自動膨張式のものを購入したのだが、夏でも快適である。

レインウェア
雨でなくても着ておいたほうがいい。
波が出ると、デッキが波を叩いたときに思いっきり水を被ることがある。
夏ならそれでも気持ちいいけれど、早春などは悲惨。
一度、ミゾレが振るような天気の日に水を被り、その水が服の上で凍ったことがあるが、まさに地獄絵図だった。

ランディングネット
やってみると分かるが、ボートのハンドランディングは結構難しい。
安いラバーのものでいいのでネットは積んだほうがいい。
これだと魚体へのダメージも少ない。
テレビやビデオでバスプロがやっているようにカッコ付けてハンドランディングするために不必要に魚を弱らせるより、ネットを使って素早くランディングしてあげるべきだと思う。

最後に

とりあえず、ここ2回で「ボートから楽しむバスフィッシング」について書いてみた。
テクニカルな部分ではなくメンタル的な部分に重きを置いて、これからも機会があれば駄文を掲載して頂ければと願っております。
バスプロと全く同じハイクラスなロッドとリールで野池で釣りをするのも良いかもしれないが、色々なタイプのフィールドに出かけて大きなスケールで釣りをしてみるのも良いのではないだろうか。バスフィッシングはこと「物欲」を満たしがちになるが、釣りの本質はやはり「フィールドに出てこそ」だと思う。
特にお子様のおられるお父さんにとって、「本物の自然」に触れ、「本物の命」に触れることが出来る「釣り」という遊びは本当に大切にしたい。「大自然」を謳ったテーマパークのどこに本当の自然との触れ合いがあるというのだろうか?
人間の力ではどう使用も出来ない中で最善の結果を出すべく奮闘するお父さんの姿にきっと息子は憧れを抱くはずだ。
そして、釣りと言うのはいつでも最高の結果が出るわけではない。相手が自然だからである。釣れる時もあれば釣れない時もある。それを身を持って学ぶことが出来るのだ。

バスフィッシングというのは色々なスタイルがあり、色々な状況で楽しめる。
その中にボートフィッシングというのもあるということである。
特に手軽に「自分でボートを操って魚を探せる釣り」というのはバスフィッシングくらいかもしれない。
是非、これを機会にバスフィッシングの幅を拡げて頂き、ついでにバスに留まらず釣りの幅も拡げて頂ければ幸いです。


プロフィール:あーりー
もうすぐ30歳。バス釣り歴18年、年間釣行数120日。得意なフィッシングスタイルは「妄想」
「必然的に偶然に釣れた一匹」を狙う
最近シーバスの「岸壁ジギング」に嵌っているが、バラしの多さに発狂寸前。

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